半年ぶりにロンドンの中心部へ
4月12日からロックダウンの規制緩和のステップ2となり、生活必需品以外の小売店、美容院、屋外アトラクションやジムなども再開されました。
レストランやカフェは屋外での飲食が可能になります。
移動の規制も少し緩くなったこともあって、用事を済ませにロンドンの中心部へ約半年ぶりに行ってきました。
海外からの観光客がほとんど来ていないのと、未だにリモートワークで働いている会社も多いせいか、とにかくどこも人気がありません。
これが世界に名だたる大都市ロンドンなのでしょうか、下手すると日本の地方都市より人の数が少ない印象です。
今回はパンデミックの前では見かけなかったロンドンの風景の変化をいろいろピックアップしてみました。
観光ガイドにも必ず掲載されている屋外市場のバラ・マーケット。
こういった海外の観光客に人気の場所は特に人が少ないのかも。出店の出展数が少ない日に訪れたのもありますが、出店が以前の半分以下の印象です。
どのお店も並ばずにすぐに買えます。マーケット側としては、購入したらすぐに市場を立ち去ってほしいとのことで、飲食ブースも撤去されていました。
食べ歩きが売りの場所なのに、食べ歩きが推奨されない場所になってしまいました…。
同じく大人気観光地コヴェント・ガーデン。いつもならアーケードは賑わい、外ではパフォーマンスに人だかりができていますが、雨のせいもあってか寂しい場所に…。
テラス席やアーケードのレストランにだけ人がいて、他のブランド店やお土産屋さんにはほとんどお客がいませんでした。
これではお店を開いても収入があるのか微妙です。
電車にも変化が
公共交通機関は感染するリスクが高いという事でかなり敬遠されがちなのもあり、どの駅も空いています。
金融の中心地、カナリーワーフですらこの人気のなさ。
広告に「ソーシャルディスタンシング(Social Distancing)」を呼びかける文字が飛び交うものの、これだけ空いていればなにもしなくても距離があけられるというもの。
──巨大なコンクリートの建物内、感染防止を訴えかける巨大な電子公告版の下を、マスクを着けた人々がみな一様に、速足で歩いていた。
とか書くとディストピア小説っぽい。
どこか映画「ブレードランナー」の荒廃した風景すら思い出させます。
ロンドンの地下鉄には巨大広告があちこちに貼られていて、グラフティーっぽくて好きなのですが、乗客が少ない所為か、構内の広告がほとんど無くなっていました。
あるとしてもコロナ関連のマスクや借金の広告か、政府がワクチン接種を呼びかけるものだけ。
駅の自販機ではマスクと消毒液が販売されるようになりました。
電車の中ではマスク着用義務が課されているため、忘れた人向けなのでしょうか?
それにしても、飲料水とマスクが並行して売られる日が来るとはね…。
とにかく、どこも人気が少なくて、ある意味、今までで見たことないロンドンを見ている印象です。
4月にお店の規制が解除される前、ロックダウンが厳しかったころは更に静かだったと思われます。
どのお店も空いていたので、店内をゆっくりと回れたのは個人的に助かりましたが、このままではとても経営が立ち行かないでしょうし、もう少し活気が戻ってくことを切に願います。
ちなみに、せっかく中心部に行ったので、「ロンドングラフィックセンター」という画材屋さんにも立ち寄ってきました。
大手の画材メーカーを幅広く取り扱っているしているお店で、ここに行けば大体必要なものはカバーできる印象です。
画材や文房具屋さんをうろつくのが好きなので、久ぶりダラダラできて楽しかったです。ついつい新しい画材を買い込んでしまいました(笑)
使ってみてよかったものはそのうちこのブログにレビューを掲載しようかと思います。
半年ぶりにロンドン中心部をブラブラとうろつきましたが、自由に外を出歩けるって素晴らしいですね!
まだまだ規制だらけですが、冬の厳しいロックダウンを経験した後だと、普通のお店に入れるだけでもう何もかも自由になった気分です。
このままワクチン接種と感染率のコントロールがうまくいけば、次の規制解除は5月17日になります。
そこまでいくと室内のレストランや美術館、映画館などが営業可能になります。どうか予定通り規制解除が進みますように!
イースターといえばホットクロスバン
今年は4月4日の日曜日がイースター(復活祭)(Easter Sunday)の日曜日でした。
イースターの前後の土日、4月2日(Good Fraiday)と5日(Easeter Monday)は祝日となるので、多くの人は土日を合わせて4連休になりました。
学校もお休みになるので、このタイミングで有給とまとめて1週間休む人も多いです。
ただこのイースターの日曜日は毎年変わります。
「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」がイースターのため、3月中にイースターが来る年もあれば、4月後半がイースター休暇になる年もあります。
2019年は3月24日、2020年は4月12日がイースターの日曜日でした。
毎年連休の日が大幅に変わるなんて、日本だったらゴールデンウィークが4月中旬に来たり、5月下旬に移動するようなもの。
日本人の感覚的にはあり得ない大型連休だなと毎年思っています。
キリスト教でない私にとってはクリスマスよりさらに馴染みのない季節行事で、基本的には「連休だからありがたい」くらいの感覚です。
また今年はコロナのロックダウン関係で、生活必需品以外のお店、レストランは閉鎖、交流は2世帯までと様々な規制がかかっているので、休暇らしく旅行に出かけることはできません。
イースター前に規制を緩めたら、今までのロックダウンで抑制されていた分、人々が出かけまくってしまうのを懸念して、わざとイースター中は規制を厳し目にしたままだったものと思われます。
ある意味、政府は人々の心理をよく理解してコロナの対策をしているともいえるのかもしれません。
話をイースターに戻しますが、この時期になると卵型のチョコレートが大量に売り出される話を以前記事にしましたが、他にもイースターらしい食べ物があります。
その中の一つに「ホットクロスバン(Hot cross bun)」という菓子パンがあります。
ドライレーズンが入っており、日本では「葡萄パン」と呼ばれているものとほぼ一緒、上にアイシングで十字が入っているのが特徴です。
常温で食べても、トーストしてバターをたっぷり塗って食べてもおいしい!
一応この十字はキリスト教由来のもので、イースターの金曜日(Good Fraiday)にホットクロスバンを食べる風習があるそうです。
一番スタンダードなのはレーズン味
イースター関連の食べものですが、菓子パンとして食べやすいためか人気のパンなので一年中スーパーで手に入れることができます。
この時期はこの基本の葡萄味に加えて、様々なバリエーションのホットクロスバンが各社から販売されます。
イギリスは食べ物も飲み物も、季節限定フレーバーな食べ物って日本ほど熱心にありません。
その中でもホットクロスバンは結構いろいろな種類が出るのでこの時期になるといろいろな味を食べ比べています。
上記のレーズン味以外にも、今年食べたホットクロスバンをいくつか紹介します。
ルバーブ&カスタード
ドイツ系格安スーパーALDIはパンの種類が豊富で、ホットクロスバンズも毎年バリエーションが豊富。
ルバーブ&カスタードは毎年一度は買って食べています。
日本ではあまりなじみのないルバーブですが、甘いセロリみたいな感じでしょうか、カスタードと相まって甘い食パンみたいな味です。
チリ&チーズ
チリ&チーズはマークス&スペンサーでも同じ味の物が入手可。
こっちは練りこまれたチリがピリッと辛いホットクロスバンズ。
もう葡萄パンの原型はない(笑)
私は半分に切ってトーストし、更に間にチーズを挟んで食べるのがお気に入り。
チョコレート
今年期待の大型新人(新作)、一部のネット界隈では大ヒット商品のチョコレート味です。
パン生地にチョコが練りこまれ、更にホワイトチョコとミルクチョコの欠片が入っているチョコ尽くしの一品。
もうホットクロスバンズとはいったいなんなのか、上に十字がついていればいいのか、と突っ込んだらキリがない。
味はチョコパンですね、トーストするとチョコの欠片が半分溶けだしてたまりません。
おいしかったので来年も販売されるよう願っています。
他にもまだまだたくさん……
この他にもイギリスの国民的ペースト「マーマイト」とコラボしたマーマイトホットクロスバンズを食べましたが、うっかり写真を撮り損ねてしまいました。
私はマーマイト単品は苦手で食べれませんが、このパンはしょっぱめの味で、チーズと合わせて食べるとおいしかったです。
今年は食べきれなかったのですが、他にもまだまだ種類はあり:
ブルーベリー
リンゴ
塩キャラメル&チョコ
ラズベリー&ホワイトチョコ
ハチミツ
などなど…スーパーで見るだけでも様々な種類があります。
日本だったらここに抹茶味と桜味のホットクロスバンが出てそう。
色々な味があって楽しいし、嬉しいのですが、
「ホットクロスバンでこんなにバリエーションをつくれるなら、日ごろもっと期間限定の菓子パンとか出してよ!」
と季節限定フレーバー大好き人間としては言いたくもなる…かも?
軽い食べ口なのでおやつとしてももってこいですし、ある意味、とてもイギリスらしいイギリスごはんなので、イースター前後に旅行する人はぜひぜひ一度トライしてみてほしいです!
ロックダウン中に読んだ/観た/挫折したもの
3月27日はサマータイムの切り替わりの日、そして、29日月曜日から、また一段階ロックダウンの規制が解除されました。
今度の規制解除から、屋外で6人まで、もしくは2世帯で交流することができます。
サマータイムで夕方7時まで明るくなったのもあり、公園の芝生にはあちこちでプチピクニックが開かれていました。
さて、前回の記事に引き続いて、ここ一年のロックダウン中の生活について振り返ってみたいと思います。
今回はロックダウン中に見たり読んだりしたものをピックアップしてみました。
- 買ったけど読んでいない本: カミュ『ペスト』
- SFの小論文: ジェイムズ・P・ホーガン『巨人たちの星シリーズ』
- イギリスが舞台のアニメ: 『魔法使いの嫁』
- 帰国できない代わりに日本の景色を観ていたアニメ: 『蟲師』
- 貴方が報道部の編集責任者、情報を流して世俗を操る?『Headliner』
- まとめ:現実から離れたフィクションの方がハマれたかな…?
買ったけど読んでいない本: カミュ『ペスト』
イギリスで一度目のロックダウンが始まった頃に購入したものの、それ以来1章で止まっています。
2020年3月当時、世界中各国がロックダウンしていくなか、多くの人が手に取ったと聞き、私も「文学の中に何か未来の希望が見えるかもしれない…」と期待して購入。
実際に自分が陥っている状況と、小説の状況があまりにも似すぎているため「現実でこんなに辛い目にあってるのにわざわざ小説でも追体験する必要ってある?」と感じてしまい、途中で読むのを断念しました。
今の方が状況を客観的に受け取れるので、小説も読み進められるかもしれません。
いつか読み終えたいと思っています。
SFの小論文: ジェイムズ・P・ホーガン『巨人たちの星シリーズ』
古典的SFの傑作『星を継ぐもの』と続編2作『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』を読みました。
こちらはSF宇宙モノで、カミュのペストと違い、現実世界から完全に離れている未来のお話です。
ロックダウン初期は現実のドラマとか映画を何ひとつ観る気分にならない日が続いていて、こういう現実とは離れた世界の物語を読んでいた方が気が楽でした。
特に『星を継ぐもの』は様々の論文のまとめ論文のような読み応えがありました。
続編2作、『ガニメデの優しい巨人』『巨人たちの星』は同じ登場人物達の性格がより掘り下げられていて、人間関係(宇宙人関係)も呼んでいて楽しかったです。
作中では、世界では戦争が無くなり、宇宙進出のために各国が協力する統合政府ができていたり、登場する宇宙人がとても温和な種族だったり、お気楽なまでに人類の未来への希望が描かれているのも微笑ましくてよかったです。
4作目の『内なる宇宙』も今後読む予定です。
イギリスが舞台のアニメ: 『魔法使いの嫁』
主人公での少女、チセが異形の魔法使いエリアスの弟子(兼嫁)として迎えられて、イギリスを主な舞台に魔法使いの暮らしをしたり、様々な人や妖精と関わっていく、というハリーポッターが好きな人には好きなタイプのアニメですが…
特筆すべきはそう、イギリスの風景がちゃんと描かれているアニメです!
イギリスに住んでいる風景オタクの私も満足のいく一本。
原作の漫画は未読なので、どこまでがアニメスタッフのリサーチのたまものなのか不明ですが、とにかく季節の描写が細かくて美しいので、それだけでも観る価値がありました。
春にはブルーベルが咲き誇り、夏には庭の花が満開で、秋の夕暮れ、冬の寒そうな石垣の道など、季節の描写が分かる人にはちゃんと分かるディテールで描かれています。
私が個人的に嬉しかったのは、イギリスの庭でよく見かける、どこにでも生えて暴走するせいでさほど人気も高くない植物ことBuddlejaが、背景で一瞬映りこんだ時は感動しました。
こういう植物です↓
ちなみにBuddlejaは蝶々などをよく寄せるので、動物保護の観点から言えばとても大事な植物です。
帰国できない代わりに日本の景色を観ていたアニメ: 『蟲師』
魔法使いの嫁がイギリスを舞台にしたファンタジーだとしたら蟲師は架空の時代の日本を舞台にした物語。
『蟲』と呼ばれる異形の存在と、それへの対応を生業とする『蟲師』である主人公ギンコを軸に、人々や自然の美しさや恐ろしさを描いてく作品です。
原作コミックもアニメも何度か観てますが、また配信していたのでついつい観てしまいました。
こちらも映像の美しさがたまりません。日本の山奥の湿った空気感や、海沿いの潮っぽい風を画面から感じます。
日本に帰れない分、これで日本の景色や季節感を摂取していました。
貴方が報道部の編集責任者、情報を流して世俗を操る?『Headliner』
ニンテンドーswitchやPCなどで販売されているゲーム。
プレイヤーは架空の国の新聞社の編集責任者となり、様々な視点の記事を取捨選択して世間に送り出すことで、世間がメディアによってどのように世論を形成していくか見守るゲームです。
こちらもカミュのペストと同じく、買ったはいいけど途中で挫折しているゲームです。
これも妙にリアルな世界観で、娯楽として没頭しきれなかったので。
「移民として働き、頑張っているけど、周囲からやや差別的な扱いを受けてしまう職場の同僚」、「外資系資本の多国籍企業の大手スーパーにお客をとられてしまう地元の小売店の店主」などなど、社会を反映した小ネタがあちこちにあり、関心していたのですが、一番驚いたのは、国外から原因不明の病が流行してしまうエピソード。
最初に発売されたのは2018年なので、コロナの事を予想してたと思えないのですが、手洗いの徹底や、咳をすると嫌がれる描写があったりと、ちょうど1月のロックダウンが厳しい時期に始めたので、遊びと割り切るには少し厳しくて、それ以来放置してあります。
もう少し落ち着いたらまた再開したいと思います。
まとめ:現実から離れたフィクションの方がハマれたかな…?
上記で紹介したものは一部ですが、こうして読んだものや観たもの、遊んだゲームを振り返ってみると、ファンタジーやSFといった架空世界のエンターテイメントの方がエンジョイできてたようです。
しかしどこか現実の、特にコロナを彷彿とさせるものは素直に楽しめず、敬遠してしまった気がします。
同じような理由で現代を舞台にした実写ドラマなんかも、一時期は観てて違和感を感じるというか、「ちょっと前まではマスクなしでこんなに人と距離が近かったんだよね」という現実との微妙な乖離が気になっていたことがありました。
それだけロックダウン中は精神が過敏になっていたんですね。
今年は昨年よりもう少し気兼ねなくエンターテイメントを鑑賞できるようになってほしいです。
ロックダウンから早一年
今からちょうど一年前の2020年3月23日、イギリスで一度目のロックダウンが始まりました。
一年たった今でもその日のことはよく覚えています。
ロックダウンが正式に宣言されたのは23日月曜日夜。
夜にボリス・ジョンソン首相がBBCの番組で記者会見を行い、ロックダウンを宣言しました。
イギリスでは、3月中旬頃からすでに学校やレストランの閉鎖が先行していましたが、国全体のロックダウンが始まったのはこの日から。
今でこそ「ロックダウン」という単語が日常化しましたが、当時はまだ未知の概念でした。
正直、記者会見を一度聞いただけではどうなるのかよく分からなくて、隣で聞いていた大家さんに「つまり何が起きるの?」と聞いた気がします。
23日の記憶
その後、1回目のロックダウンは3月23日夜から6月15日まで続きました。
記者会見を聞いた翌日3月24日は、リモートワークのためにどうしても必要な機材を取りに行くためにオフィスへ出勤しました。
いつもは混んでいる道路の交通量が激減して、ポストアポカリプス映画の登場人物になった気分でした。
当時の手帳の24日(火曜)の欄には以下のようなことが書き記してあります。
「火曜は急遽オフィスに行って家で仕事するために道具を持って帰る。
一番近い感覚は卒業の日(式ではない)。
いままであった当たり前がふっとんでくような、そんなかなしさ。」
ロックダウン宣言前からイギリスでもコロナの陽性者数や入院患者数が増加し始めていましたが、23日のロックダウン宣言で、名実ともに今までの世界がひっくり返った印象だったと思います。
当時、医療現場への資材が圧倒的に不足しており、一般向けのマスクや除菌ジェルは全く手に入りませんでした。
ごく一部の人がマスクを着けているのをスーパーで見かけましたが、ほとんどの人は口も覆わずに、距離だけ取っている感じでした。
というか、コロナの前は、イギリスでは風邪を引いていても、くしゃみが止まらなくてもマスクを着けない文化だったので、マスクをすること自体があまり好ましく思われていませんでした。
コロナが流行る以前に、普通の風邪をひき、咳が止まらない日があり、職場にマスクを着けて行ったら、イギリス人の上司から「アジア人はマスクを着ければ風邪が止められるとか思っている」みたいなことを言われて茶化されたことを覚えています。
まあ、アジア人へのステレオタイプが強い上司だったので、私が「日本人っぽい(とイギリス人が考えている)」行動ことをする度に茶化す人だったんですけど……。
マスクと社会的距離ももう今となってはすっかり日常化していて、この記事を書くまでは、コロナ前のヨーロッパのマスク拒絶反応を忘れかけていました。
記憶の忘却ってあっという間です。
ロックダウン中の記録としてお勧めの本
ヤマザキマリさんの「立ち止まって考える」という本は「国境をまたにかけている日本人がロックダウン中に感じたこと」を参照するのにお勧めの本です。
「テルマエ・ロマエ」を描いた方としてご存知の方もいるのではないでしょうか。
ヤマザキマリさんはイタリア人の家族がいて、日本とイタリアの間を年中移動しながら生活していましたが、コロナのロックダウンで日本にずっと滞在することになり、その間に考えたことをまとめた本になります。
私も、イギリスと日本をまたいで生活していたのが、イギリスに閉じ込められてしまったので、越境する暮らしの部分で少し似ているところがあり、心境的に一番読みやすかった本でした。
イタリアとイギリスではコロナの流行のしかたや政策も異なるので、一概には同じと言えませんが、当時のヨーロッパ全体のマスク着用の拒否感の背景の解説などは興味深かったです。
新書サイズで読みやすいので、興味がある方はお読みください。
これからもこのコロナについての本はたくさん発行されるとは思いますが、流行の真っただ中で、先の分からない状況で書かれた資料として、今後も参考になるのではないでしょうか。
2021年の3月23日現在
1年前のロックダウンの日に比べると、現在は、ワクチンが部分的とはいえ機能し始めているし、社会的距離をとったり感染対策も当時より徹底しているので、大分状況が変わりましたね。
私の家の大家さんも先日1回目のワクチンを接種してきました。
(3月22日現在イギリスでは50代以上の人や重症化のリスクが高い人、医療関係者などはワクチンが接種可能)
摂取してから一週間経過しましたが、とくに副作用もなく、元気そうにしています。
この先どうなるかまだ誰にも分からないですが、私も今この瞬間感じたことを、このブログに書き留めていきたいです。
※2021年3月24日:誤字修正しました
10年に一度のイギリス国勢調査
2021年はイギリスで10年に一度の国勢調査が開かれる年でもあります。
前回の国勢調査は2011年、前々回は2001年。
私も国勢調査に回答する機会があったので、今回は参加してみて感じたことを書きました。
イギリスの国勢調査事情
イングランドとウェールズではOffice for National Statistics(英国統計局)(略してONSと表記される)というところが国勢調査を実施しています。
この英国統計局は他にもさまざまな統計データを収集、解析しています。
一般の人々が利用できるように公開しているデータも多くあります。
ランドスケープデザインを学んでいた学生時代は、課題として与えられた地域や場所の基本的なデータを手に入れるために英国統計局のサイトにアクセスしたこともありました。
現在コロナウイルス(Covid-19)の、日々の感染者数や地域別の傾向を解析・発表しているのも、この英国統計局になります。
今回の国勢調査は、英国籍あるなしに関係なく、イングランドとウェールズに住んでいるすべての人が対象です。イギリスの滞在が3ヵ月未満の人だけは回答不要です。
※スコットランドと北アイルランドは、英国統計局ではない別団体が統計を取っているようです。
基本はオンラインで回答しますが、希望者には紙での回答フォームを送ってくれます。基本は英語もしくはウェールズ語で回答しなくてはいけません。
英語が読めない回答者の場合、希望者には質問内容をそれぞれの言語で訳したパンフレットを送ってくれます。
私は英語で回答してしまいましたが、後で探したら日本語訳のパンフレットをオンラインで見つけました。
正確なニュアンスを知るためにに参照してもよかったな~、と少し後悔。
日本語話者ってイギリスの総人口のなかではほんの豆粒みたいな割合だけど、言語サポートがあると、「国から存在を認識されているんだな」と少しだけ嬉しくもありますね!
英国統計局による日本語訳のリーフレットはこちら↓
https://census.gov.uk/assets/Japanese-Household-Questionnaire-guidance-booklet.pdf
質問内容が日本の国勢調査と違うところもあったので、比べてみるとおもしろいかもしれません。
興味深かった質問
私は大家さんが住んでいる家の一部分を借りて暮らしているので、「世帯」に関する質問は大家さんが答えました。
私自身はその世帯に暮らしている「個人」の回答を自分で行いました。
個人に問われている質問でいくつか興味深いものがあったので紹介しようと思います。
「性的指向」と「性自認」を問う欄がある
最初に出生時に登録された性別「男性/女性」と問う質問があり、16歳以上の人はさらに「性的指向」と「性自認」の質問がされます。
「さすがは同性パートナーシップが認められている国イギリス!質問要綱が細かい!」と私は関心したのですが、どうやらこの二つの質問事項は今回の調査で初めて追加されたとのこと。
(参考:APF)
2021年今日まで、「性的指向」と「性自認」に関する公式な統計が存在しなかったんですね。統計上はLGBT+は存在していない扱いだったわけです。
地域や政治・社会・経済統計といった生活実態を把握することで、現状の把握や、今後必要とされるサービス提案に役立てたい考えのようです。
他の情報と合わせてどんな実態が浮き彫りになるのか、興味深くあります。
ちなみに、「性的指向」と「性自認」への回答は任意とされているので、答えたくない場合はスキップできます。
法律上の婚姻と市民(同性)パートナーシップ
イギリスは市民(同性)パートナーシップが認められています。なので婚姻とパートナーシップの状況を問う項目では、以下の8項目から答えることになります。
- 一度も結婚したことも、一度もパートナーシップの登録をしたことがない
- 既婚
- 登録した市民(同性)パートナーがいる
- 別居中だが、法律上はまだ結婚している
- 別居中だが、法律上はまだ市民(同性)パートナーがいる
- 離婚以前は市民(同性)パートナーがいたが、現在は法的に解消している
- 死別
- 登録した市民(同性)パートナーと死別
「結婚」と「市民パートナー」が違うのだから、そのあとの「離婚/市民パートナーの解消」「結婚しているが別居中/市民パートナーがいるが別居中」「婚姻した相手と死別/登録した市民パートナーと死別」はそれぞれ異なる扱いなんですね。
勉強不足なので、なんとなく頭の中では結婚と市民パートナーを登録した後は同じものだと認識していました……。
まだまだ理解が足りないと、項目をみて気がつかされました。
貴方は「イギリス人?」アイデンティティを問うもの
「あなたの国民意識をどう表現しますか?(What would you describe your national identiy?)」という質問。
回答欄の選択肢は
イギリス人 (British)
イングランド人 (English)
スコットランド人 (Scottish)
北アイルランド人 (Nortern Irish)
その他-自由回答 (Other)
の六択です。
イギリス人 (British)とそれぞれの国の国民意識が分かれているのもイギリスらしいですね。
普段の日常会話では「イギリス人」を自称する人ってあまり聞かない印象です。もっとグローバルな場で他の国の人々と交流すると「イギリス人」と名乗るのかもしれませんが。
イングランドに住んでいると「イングランド人」って自称をよく聞きますし、スコットランドから来た人は「スコットランド人」って言い分ているので、自分を「イギリス人」と考える人ってどれくらいいるのでしょう…?
「意識」を問う項目なので「私はもうイギリス人だ!」と思っているなら、私自身も「イギリス人」か「イングランド人」と回答してもよかったのですが、なかなかそういう気分になれませんでした。
イギリスの大学教育を受け、医療や市民サービスに登録し、税金を支払い、働き、同じコロナの影響を受け、同じ法律を守っていて、イギリス人と同じ屋根の下で暮らすし、生活はかなりイギリス式に染まってきています。
人生の何分の1はイギリスで過ごしているのに、それでもまだ「私はイギリス人/イングランド人だ!」とは認識する気持ちにならないんですよね。
やっぱり幼少時に育った国や環境が意識のベースになるのか、それともこの気持ちは、日本よりイギリスに長く住んでいれば変わるものなのか、今はまだ分かりません。
かといって「アイデンティティは100%日本人」と断言するには、ここ数年日本の現代的意識から離れてきてイギリス式に染まっている自分がいるのも事実です。
回答欄がもっと長ければ「4分の1イギリス人で3分の4は日本人です」と答えたかったかもしれません。
統計結果とランドスケープとの関わり
今回の国勢調査の締め切りは3月21日となっています。
データを収集して最終的なレポートが発行されるまでには、まだしばらくかかると思いますが、そこにどんな情勢が描かれるのか、興味深くあります。
というのもランドスケープ業界も、統計情報を参考にして都市計画を立てたり、地理情報と人口統計を組み合わせて、未来のランドスケープの在り方を考えるわけです。
例えば、いろいろなエスニックグループの割合が高いエリアだったら、マイノリティのエスニックグループがコミュニティとして参画しやすくなるような都市農園を配置したりします。
仮にもしLGBT+の人の割合が高い地区が分かれば、それを考慮して新しい計画ができたりするかもしれません。
今はまだ、どんな要素が影響を与えるか分かりません。
ただ言えるのは、統計上で存在を可視化されないと現状を把握することが難しいのです。
なので質問内容と、回答できる項目の選択肢はとても大事なものですよね。
統計の結果も今後見守っていきたいと思います。
春の準備とイースター
3月中旬ですね。
今回は3月に入って起きた小さめの日々のニュースをお送りします。
ロックダウンの規制緩和
イングランドでは今週月曜、3月8日からロックダウンが一段階緩和されました。
大学や小中学校の登校が再開され、別世帯の人と一人までなら外でピクニックしたりお茶を飲むことが許可されました。(それ以前は外で別世帯の人と会うのはあくまで用事のためで、ピクニックなどは一応禁止されていたのです)
その他の規制はまだまだ実施中なので、学校に行ってない身としてはあまり規制が緩んだ実感がありません。
登校時間に道路沿いを歩くと、送り迎えの車で道路の交通量が増えた感じがする……くらい?
まだ「Stay at Home」の方針は残っており、必要不可欠な出勤や買い物、一日の運動以外は外出を控えなければいけないことになっています。
予定通りに進めば、3月29日から屋外のスポーツ施設が再開、6人まで屋外で社交が可能となるので、本格的にロックダウンが緩むのは、もう半月先になります。
賑わいが戻るのはあともう少しですね……。
春のガーデニング
ただ、春になってきて日照時間も伸び、温かくなったことで、どこもかしこも春の庭に向けての準備が本格的に始まりました。
これは玄関に飾るように作った春の寄せ植え。
イギリスでもパンジーは春の花として重宝されます。
イースターチョコ
毎年3月~4月はイースター休暇があります。
祝日は毎年変動しますが、今年は4月2日~5日が連休になります。
クリスマスが終わるとスーパーはイースターのグッツを陳列しはじめますが、その品ぞろえがピークに達するのはイースター直前のこのタイミングです。
どれくらい力が入っているかと言えば、大きいスーパーの棚一列は全てイースターのチョコで埋まるくらい。
この列の棚は、端から端までイースターコーナー。
大手菓子メーカーがこぞってこの時期に売り出すイースターエッグたち。これらはみな30cmくらいあります。
通常卵型チョコの中身は空洞になっていますが、中にはチョコバーが入っているものもあります。
みんなだいたいこの時期くらいから買い始めて、しばらく家に飾っておく気がします。
ウサギ型のチョコも定番です。ピーターラビットのもあります。
ウサギ型のチョコは、見た目はかわいく、飾っておくのに丁度いいのですが、中身はプレーンなチョコなことが多いので、味に変化がない……(笑)
正直、個人的にはクリスマスのお菓子の方が種類も味もバラエティに富んでいて好きなのですが、見ている分には楽しいのでこの時期になると、ついふらふらとイースターコーナーを覗いています。
大きくて装飾が綺麗なチョコとかは惹かれますが、いかんせん30cmもあるチョコは一人では持て余してしがち。
小さめでかわいいチョコが見つかったら何か一つくらいは買おうかな~。
春先の規制解除の方針が発表!
11月から実質ほぼずっとロックダウンが続いているイングランドですが、2月22日、ボリス・ジョンソン首相が今後の規制解除の方針について発表しました。
大まかなに発表されたは以下の通りです。
3月8日~
学校の再開
屋外で二人までなら座ってピクニックなどが可能
3月下旬~
2世帯で最大六人までなら屋外で会うことができる
4月中旬~
生活必需品以外の小売店や美術館といった施設の再開
5月中旬~
二世帯が屋内で集まることが可能
映画館やイベントの再開
※参考:BBCニュース
ただ、これはあくまで予定で、その時のデータに応じて変更する可能性があるとのこと。
今の所、5週間ごとに段階を見て規制を解除していく方針の様ですが、やっぱり一度に一気に緩めるわけにはいかなかったようですね。
今年は、イギリスの大型連休にあたる、イースターホリデーが4月第一週にあるのですが、その時点ではまだあまり動けない様子です。
ピーク時の1月に比べると陽性者数や入院者数が下がったとはいえ、あくまでそれはロックダウンで人の行動を制限しているから抑えられているだけなわけで……。
これから人々の行動が以前のように戻れば、また陽性者数が増加しやすいわけで、どのような段階で行動規制を解除していくかが注目の的となっていました。
それでも、長い冬の間ひたすら家にこもり続けなければいけなかった人々には嬉しいようで、Zoomで雑談していた知り合いは「さっそく美容院に予約をいれたよ!」と大はしゃぎ。
私も去年の夏に美容院に行ったきりで、しばらく行けてないのでそろそろ髪を切りにいきたいものです…。
ここ一年で政府の規制解除の方針が何度も見直され、そのたびにちょっとがっかりするので、私個人としては、全てが予定通りに運ぶとはあまり期待していないのですが、それでも少し明るいニュースが聞けただけでも心は弾むのでした。
雪だ!雪だるまウォッチング!
2月中旬、スコットランドからイングランドまで、寒波が襲い、各地で雪が降りました。
私が住んでいる場所にも雪が降り、ロックダウンでメリハリのない生活に少し違う日常風景が現れました。
雪は2、3日降り続き、その後数日もしばらく残っていたため、1週間ほど雪景色となりました。
学校も閉鎖中で、外へ出かける機会の少ない子ども達は、いつもと違う遊びができるので大喜びです。
近所の坂をソリで滑り降りたり、凍った水たまりでスケートごっこしたり大はしゃぎ。
そして……雪と言えば雪だるま!(を一番最初に連想する私。)
今回は、散歩中に見つけたいろいろな雪だるまの写真をお送りします。
王道雪だるま。
人の家の駐車場に作られていました。
マフラー、ボタン、鼻にニンジンが用いられていて本格的な雪だるまさん。
リーフ雪だるま。
シダの葉などがゴージャスに使われた雪だるま。スカートも履いている?
チョコレート雪だるま。
雪のすぐ下の地面が泥だらけなので、真っ白な雪だるまをつくるのは結構大変…。
半分溶けかけた雪だるま。
どことなくロダンの「考える人」っぽいシルエット?
おまけ
雪だるまではないですけど、アジサイの花弁に乗った雪が、かき氷っぽくておいしそう。
さすがイングランド、もともと雪慣れしている国なので、主要道路や設備の除雪や凍結対策はしっかりされています。
ただ、散歩道や田舎道といったマイナーな道は凍結したままで、歩くのも結構大変でした。
写真を撮っている間も、凍結した路面に何度か足をとられそうになりました。
それはそれで、いつもの道がハラハラドキドキアトラクションみたいで楽しく、少し気分転換になる一週間でした。
眼科代わりに眼鏡屋へゆく 【後編】
少し間が開いてしまいました。
前回の記事に引き続き、眼科代わりに眼鏡屋へゆく、後編をお送りします。
前回の記事はこちらから↓
前回は思い出話にとどまってしまいましたので、今度こそ最近受けた視力検査のお話です。
今回はちょっとお高めの視力検査に挑戦
さて、視力検査したい場合は、こんなご時世なので店頭やオンラインで事前に予約して、予約時間に店頭へ向かいます。
私が行ったSpecseversでは、視力検査に種類があり、普通ものと、もう少し精密に、網膜スキャンをしてくれる検査の2種類があります。
普通の視力検査は25ポンド、網膜スキャン付きだと35ポンド。
ただし、視力検査はイギリスの国民医療サービスであるNHSと提携しているので、16歳以下、60歳以上など、特定の条件に当てはまる人は視力検査が無料になります。
イギリスは、交通機関もアトラクションの参加も、美術館も、医療費も、そのままの額支払うと割高なものが多いのですが、多くの場合何らかの割引や免除を受けれたりするので、全額支払う前にまず下調べが大事です。
というわけで、私も一応、視力検査割引対象者かチェックしましたが、何も当てはまらないので自分で負担しました。
しばらく視力検査受けていなかったので、今回は少しお値段がかかりますが、網膜スキャン付きの視力検査を受けることにしました。
肝心の検査方法はというと…
まず片目ずつ機会を覗き込んで、網膜スキャンを撮りました。
覗き込んだ機械の中で、光る点を追っていくよう指示され、レトロゲームの画面みたいな点を覗いていると、時々「パシャ!」と光って網膜の写真を撮られます。
写真を撮る瞬間がまぶしくて、瞬きしないでと言われても、反射で瞬いてしまいます。
網膜スキャンが終わると次の機器へ、中を覗き込むとそこには
な、なんとお馴染みの「気球」が映っているではありませんか。
視力検査したことがある人はご存知かもしれませんが、数ある機器の一つを覗くと以下のような気球の絵を見ることはないでしょうか?
軽く調べるとこの気球以外にも、メーカーや機種によって風車が映っていたりするようです。
でも地球の裏側のイギリスで、日本とまったく同じ気球を見つけるとは、なんだか以外でもあり、知っているものを見つけたときの安心感がありました。
ある意味では、世界中の人よく見知っているランドスケープの一つと言えるのかもしれません?
機械による検査が一通り終わると、次は検査技師の人と向き合って、網膜スキャンした結果を話し合ったり、さらに細かい検査を受けます。
日本でもおなじみ、両眼や片目で様々な大きさのC(ランドルト環と呼ばれるそうです)の上下左右を当てたり、大小さまざまなアルファベットを読み取れるかの検査もありました。
検査中、見てる文字がぼやけているかと思ったら、試験用にかけていた眼鏡がマスクからの蒸気で湿ってぼやけているだけの瞬間もありました。
コロナ防止の観点から、検査中もマスクしないといけないのでこういう場合は大変です。
検査の結果
そんな検査を一通り終え、検査技師の人からの結論は、「特に問題ないけど、ドライアイ気味だから目薬をちゃんと使ってね」というものでした。
何事もないと分かり一安心です。
ちなみに、もしここでさらに検査が必要な場合は眼科に行ってねとか言われるようです。
ついでにいつも使っている眼鏡も見せたところ、特にレンズを入れ替える必要もないとのこと。
日本から持ってきたドライアイ用の目薬があるけど、イギリスで買う場合のおすすめはどれか聞いたら、「これこれこういう成分が入っている目薬を買ってね」とも教えてくれました。
科学的な成分名もちゃんと書き写してくれたので、今度新しい目薬をイギリスで買うときの参考にもできそう。
以上が、私の視力検査体験談でした。
お値段はかかりますが、気軽に受けれるので、もしまた何か困ったことがあれば行ってもいいかなと。かかりつけ医の予約とるより簡単ですし。
視力は大切にしていきたいですね。
眼科代わりに眼鏡屋へゆく 【前編】
イギリスの眼鏡屋さんで視力検査を受けてきました。
ロックダウンになり、遠くの景色を見る時間が減り、部屋の壁ばかり見ているからなのか、はたまた薄暗い時間の方が長くて太陽を目にしないからなのか、冬はドライアイがひどくなります。
加えて最近は、白い壁とか、晴れた空とか目にするとまぶしく感じるので、軽くネットで症状検索すると「若くても緑内障が~~~!」とか「すぐに検査しないと失明の危機が~~!」とか恐ろしいくも素人判断ではよく分からない記事ばかり目についてしまいます。
心配するくらいならと、時間があるうちに検査に行くことにしました。
例年であれば、年末年始に日本に帰国して、かかりつけの眼科に行って目薬を処方してもらえるのですが、今年は帰れなかったので目薬の在庫も尽きてきたころです。
と、言うわけで今回はイギリスの眼鏡屋見物記です!
一度目の眼鏡屋の記憶
私がイギリスの眼鏡屋に視力検査を受けに行くのはこれで2度目になります。
1度目は最終学年の時、卒論デザインの制作が佳境に入り、根詰めて制作していたらパソコンばかり見すぎていて目が痛くなった時。
学校の先生からの勧めで、まずはかかりつけ医 (※イギリスでは専門医に行く前にまずGPと呼ばれるかかりつけ医の元へかかるのが普通) の元へ目が痛いことを相談しに行ったところ「何も異常は見受けられないし、眼鏡屋で視力検査でも受けておいで」と放り出されたのです。
まあ、かかりつけ医の先生は一般的な症状は分かるけど専門的な部位となるとよくわからないことが多いのでこの対応も当然ですけどね。
それを知っていれば最初から眼鏡屋に行ったのに…!
体調が悪くないのにGPの予約を取ろうとすると「緊急患者じゃないなら一週間後のこの日しか空いてないよ~」とか言って断られるので、予約が結構めんどうくさいのです。
イギリスでは、Bootsとかvision expressとか、大手の眼鏡屋であれば大体どこでも視力検査を受けられます。
日本でいえば眼鏡市場とかJINSのような大手眼鏡屋さんに視力検査に行く感じです。
ただ、今まで日本でもあまり眼鏡屋に用がなかった私は、どの眼鏡屋がいいとか手掛かりがないので、知り合いにお勧めの店を聞いたら、本人が視力検査に行っているSpecsaversという大手の眼鏡屋に行くことにしました。
視力検査を受けて、頭痛など症状も相談したら、どうやら遠視気味なことが分かり、眼鏡も作ってもらいました。
イギリス眼鏡デビュー
イギリスもそれなりの眼鏡を作るとなるとそこそこのお値段がかかります。
Specsaversの店頭に並んでるメジャーな商品だと80~100ポンドくらい。
(その時のレートだったら日本円で1万円~1万5千円くらい)
安くはない、ですが当時はまだ課題製作が残っており、パソコンを使わないといけなかったので、背に腹は代えられず、眼鏡を作りました。
それまでも日本から持ってきたブルーライトカットの眼鏡をかけていたので、できたらブルーライトカットが入ったレンズが欲しいとおもったのですが、まったく同機能のレンズは、Speckseversでは取り扱っていないようでした。
オンラインで調べたら、メーカーによってはブルーライトカットレンズを取り扱っているところもあるようです。
ただ、私の買った眼鏡も、光の反射を抑える加工がしてあるレンズではあるので、まぶしさは抑えてくれます。
私視力にはそこそこ自身がある方で、それまで度入りの眼鏡を作ったことがなく、これが人生初の度入り眼鏡デビューだったのです。
「海外で人生初の度付き眼鏡デビュー!」と言い方を変えればかっこいいかもしれない。
眼鏡のフレームを選ぶ際に感じたことですが、イギリスのフレームは日本製より重めの傾向です。ごついと言えばいいのでしょうか。
私は店でもなるべく軽いフレームを選びました。
イギリスの服も日本より重量がある気がします。
もしかすると、体格が日本人より大きめの人が多いので、彼ら彼女らにとっては重くないのかもしれないですね。
今まで度付き眼鏡を作ったことがないので、イギリス製の眼鏡が日本製よりいいのか、はたまた造りが悪いのかさっぱりでした。
日本でもその後度入りの眼鏡をつくってみましたが、性能差としてはそこまで違いが感じられないので、たぶん眼鏡のレンズの質はいいものだと思われます。
ちなみにその後、日本で新しく作った眼鏡は、間違えて椅子に落としてその上に座ってしまい破壊してしまったので、今はずっとイギリスで作った眼鏡を愛用しています(笑)
眼鏡屋に相談したら一応日本製の眼鏡も直してくれようとしたのですが、フレームが壊れていて修理できないので壊れたままです…。
他社製なのに直してくれようとしてくれたのは親切かも。
ちなみにイギリスでは、視力検査を受けると、検査結果をまとめた紙きれをくれるので、その結果だけを他の眼鏡屋さんに持っていけば、別の店でも度入りの眼鏡を作ってくれます。
オンラインで注文する場合などは、検査結果を打ち込めば眼鏡を作ってもらえます。
後半へ続く
一度目の眼鏡屋さんの記憶でした。
思ったより話が長くなってしまったので、後半へ続きます。
2度目の眼鏡屋ではいよいよ幼馴染と再会(?)です。