鬼滅の刃、上映開始 ――英国よ、これが鬼滅だ。
5月17日から、ロックダウンの規制緩和の第三弾(Step 3)が実施されました。
これに伴い、レストランやパブでは屋内で飲食可能となり、屋外で30人まで集まれたり、他世帯とのハグも可能(!)になりました。
美術館や映画館といった屋内娯楽施設も営業可能となり(ナイトクラブは除く)、活気が戻ってきた印象です。
コロナの前の生活からはまだまだ遠いですが、去年の今頃と比べたらかなり自由に暮らせるようになりました。
映画館もやっと解禁になったものの、ブロックバスターやハリウッド映画が軒並み延期になっているので、まだ上映本数は少ないです。それでも去年イギリス未公開だった作品や、オスカー賞受賞作品などが公開され始めました。
そして、そして5月26日、ついにイギリスでも日本映画「劇場版鬼滅の刃・無限列車編」が公開となりました~!
昨年11月に鬼滅の刃が観られないという記事を書き、さらに待つこと半年経過…。
普段だと、日本製のアニメはロンドンなど、大都市の大型映画館に行かないと観れないのですが、今年はまだ上映可能な映画の本数が少ない所為か、地方の映画館でも上映している様子です。
というわけで、私もさっそく観に行ってきました。
今回は、イギリスの映画事情と鬼滅事情のお話です。
イギリスの映画館の仕組み
イギリスの映画館にも、大手シネコンや小さなシアターまでいろいろありますが、ここでは一般的な大手のシネコンの説明をしていきたいと思います。
料金は2D上映の映画で、大人一人当たり6~14ポンド。
この値段の幅が面白いのですが、イギリスでは、映画の料金は混雑する上映時間帯によって変動します。
平日の昼間は「オフピークタイム(Off peak time)」と呼ばれ、比較的空いているため最低料金の6ポンド前後。
逆に平日の夜や土日は仕事帰りのお客などで需要が高くなる「ピークタイム(Peak time)」と呼ばれ、最高料金の13ポンド前後かかります。
安い時間に観れば900円前後(1ポンド=150円換算)、混んでいる時間だと2000円前後ですね。
「夜や週末に来るってことは昼間働いてお金があるんでしょ?」と暗に言われているような超現金なシステムです。
金がなくて時間がある人は空いている時間に行くべし、とも言えます。
ちなみにイギリスではこの「ピーク/オフピークタイム」の料金システムは映画に限らず、電車やバスの乗車料金、遊園地やイベントのチケットなどでも使われています。
館内にはポップコーンなどの軽食店が入っているのは日本と同じですが、物販ブースは基本的にありません。
以前とあるラジオ番組で聞いたのですが、映画のパンフレットは日本独特の映画文化だそうで、イギリスでは映画パンフの販売もありません。
映画館限定の物販やパンフが好きな人には少し寂しいですね。
鬼滅の刃の知名度やいかに?
英語版のタイトルは「Demon Slayer -Kimetu no Yaiba-」として知られている鬼滅。
イギリス人の友人は「Damon Slayer」って言ったりそのまま「Kimetu!」と言ったりします。
最近はネットフリックスなどの配信サイトの普及のおかげで、日本のアニメも日本放送とほぼ同時期に配信されているためか、アニメが好きなイギリス人だったら知っている印象です。
ロンドンにある日本のお店、ジャパンセンターにも鬼滅関連のグッツが前面に売り出されているので、それなりに人気があるはず。
私が観た映画館は少し郊外の映画館だったので、ロンドン中心部より観客は少ないと予想していましたが、それでも30人前後人が入っていました。
小さめのシアターサイズ、それも平日の夕方にしては中々の人入りです。
上映時間が遅かったのもあり、年齢層は20~40代くらいの人が多かったです。
劇場に居た観客が鬼滅のアニメ全話を観てから映画を観に来ているかもしれない、と思うと少し感動しますね。普段生活していて鬼滅好きを探すのはとても大変なのに…!
(※一応映画を観ていない人に補足すると、この映画はアニメシリーズの続編としてつくられているため、アニメ、もしくは原作コミックを読んでいないと話の文脈が分からないつくりとなっています)
ちなみに、以前にも、別の日本映画をロンドンに観に行ったことがありました。
その時は「日本のアニメ大好きです!」とアピールする服やグッツを着けている観客が集まっていて、そういう客層を眺めているのも楽しかったりします。
イギリスでは日本語のキャスト&英語字幕版と英語吹き替え版の2種類が上映されています。
私が観に行った回は字幕版だったので、日本の映画を観る感覚で楽々鑑賞!
ハリウッド映画などを英語字幕付き映画を観ると、字幕を追いかけるのに忙しくて映像に集中できないですからね…。
映画の出来は評判通りよかったです。
あえて言えば、映画単品作品としては物足りないところもあるのですが、アニメシリーズの1作品として観ると、これ以上うまくまとめるのも難しいかと。
逆に、映画単独で観られるよう機能するように作ったら、アニメシリーズと作風が変わってしまう気もするので、ちょうどよい出来でした。
何より映画館で映画を鑑賞するのが1年半ぶりだったので、大きいスクリーンと高性能の音響で映画を観る「体験」そのものの良さを改めて体感したのでした。
いや~映画館ってやっぱりいいものですね~。
以下映画ネタバレを含んだ感想
私は原作コミック全巻履修済みなので、話の展開自体は知っていましたが、後半の展開はやっぱりアツかったですね。
映画館映えするように作られているので、テレビサイズで観たら味わいきれなかったと思います。
後半戦の煉獄さん VS 猗窩座は大画面で観ないと細かいところまで見えませんし、映画館で観れてよかったです。
日本でも公開から2週間ほどしてネタバレ全開予告編が出ましたが(公開当初は伏せられていた猗窩座というキャラクターが出るバージョン)、海外でもネタバレ版予告編がしばらくしてから公開されました。
イギリスのシネコンの公式サイトではこれが掲載されているのですが、最初からネタバレ全開でいいのでしょうか…?