ヘンリームーア スタジオズ&ガーデンズに行ってきた記事の後編です。
前編はこちらから↓
園内の自然と彫刻達
彫刻を囲む自然が、作品をますます魅力的に演出してくれます。
屋外に彫刻を集めた「彫刻庭園」のタイプのガーデンは、様々なアーティストの作品があちらこちら設置され、時に作品同士が喧嘩してしまうこともあるのですが、ここではムーアの作品しかないので、お互いに主張しあうことなく園内に収まっているようにも感じました。
太陽の向きによって影もダイナミックに変わるのも、屋外展示ならではですね。
今年は春が少し遅れたせいもあり、新緑がちょうど出そろってきたばかりで、自然そのものも、とてもフレッシュで綺麗でした。
ディテールも観てよし
ムーアの彫刻は、遠くから背景の自然と組み合わせて眺めるのもよいですが、近くによるとまた異なる景色が見えます。
空の色が彫刻に映りこみ、反射光が青色に見えます。
夕焼けの時は赤く見えるのでしょうか。
多くの彫刻は触ってもオッケーなので、触ってみてもよしです。
ただ、素材が金属のものは太陽の熱を吸収しているとアツアツなので注意!
スタジオや室内で展示されている数多くのスケッチや試作モデルを観ると、彼が身体の特定部位に興味があり、作品で誇張され、それ以外のあまり興味のない部位は縮小され、簡略化されているのが伝わってきます。
胸部や臀部、手はよく強調されていますが、それに比べると足や頭部は比較的シンプルだったり。
コロナ感染対策のために、新しく設置された手洗い場も素材や形状にこだわっていました。
彼の作品ではないけれども、こういう細かいディテールへの気配りも、全体の雰囲気を保つのに大事ですね。
まとめ:ヘンリームーアが好きなら行くべし
園内を歩き回ったり、日向ぼっこしつつお茶をしたり、軽くスケッチして過ごしたら、半日たっぷり過ごせました。
期間限定の作品展はコロナの人数制限の関係で規模縮小していたので、フルで展示してあったらもう数時間はかかったかもしれません。
お客さんの中には作品を見るのに飽きたのか、ピクニック感覚で木陰で休んでいる人もいました。
隣に作品があろうが、自由気ままに過ごしても「どーん」と受け入れてくれる余裕のようなものが、ヘンリームーアの作品にはあるように思います。
ヘンリームーアの作品が好き、屋外彫刻と自然の関係がすき、イギリスの田舎が好き、と言った人にはぜひおすすめしたい場所です。
参考資料:
この記事を書くにあたり参考にしました。
撮影不可なヘンリームーアの家の中の写真も載っているのでとても気に入っています。
お手頃サイズで写真もたくさんあるので、お土産にお勧めです。
Henry Moore Studios & Gardens Guidebook
Scala Arts & Heritage Publishers Ltd
2020