イギリスの現代彫刻家 アントニー・ゴームリー展@White Cube
1月末で会期が終了するアントニー・ゴームリー(Antony Gormley)の展示に滑り込みで行ってきました。
アントニー・ゴームリーと私
アントニー・ゴームリーは、現代でも最も有名なイギリスの彫刻家の一人です。
私が初めて彼の作品を知ったのは、学生時代です。
「ランドスケープとアーティスト」というテーマのエッセイを書く課題があり、その時に選んだアーティストがアントニー・ゴームリーだったのです。
以来彼の作品に興味が湧き、彼の作品展や展示があればチェックしています。
初めてアントニー・ゴームリーの展示を観に行ったのは、2019年にロンドンにあるロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで大規模な個展が開かれた時でした。
彼の作品はイギリス国内で常設で設置してあるものも多く、また屋外の作品も多数あります。
White Cubeでの展示
今回White Cubeというギャラリーで開かれた展示会は、2019年の展示会より規模こそ小さいものの、コロナ以降に作られた彼の最近の作品が見られて満足のいくものでした。
アントニー・ゴームリーは主に「人体と空間」を扱った作品を多く作ります。
この作品も一見ただのコンクリートブロックに見えますが、人の身体を表現しています。
下の作品は遠目から見るとレンガが無造作に積まれているように見えますが……。
近づいてよく見ると、1つひとつが人間のポーズをしています。
なんと224体もあるそうです。
どの彫刻も、同じ大きさのレンガの組み合わせを用いて造られているところがまたすごい。
しかもこのレンガ、積み上げてあるだけで接着してないので、たまにうっかり観客が蹴り飛ばしてしまうことも。
わざと壊れやすく展示してあるのかもしれません。
館内で上映されていたゴームリー自身による作品解説では、彼のアトリエ内の技術変化について触れられていてとても興味深かったです。
例えばこの作品は、一見すると短い金属同士を溶接してあるように見えますが、実際は全体が1つの型から鋳造されたものだそうです。
発泡スチロール系の素材で原型を作り、砂で型を作り固め、そこに鋳型を流し込むと中身の発泡スチロールが溶けて、金属の彫像ができるそうです。
展示を観終わった後は、近くのバラマーケットでお昼を食べて、ゆったりとした冬の日を過ごしました。
White Cubeに行くのは初めてだったのですが、周辺にはおしゃれなアートギャラリーやカフェが固まっていて、散策によさそうでした。
また機会があればこのエリアに足を延ばしてみたいです。
2024年の挨拶
新年もあけましておめでとうございます。
このブログもよろしくお願いします。
年末年始は日本で
今回の年末年始は日本で過ごしました。
なんと、日本で新年を迎えるのは3年ぶりです。
コロナ以前はほぼ毎年、年末年始を日本で過ごしていたのですが、コロナで自己隔離機関があった頃は、最大2週間も自己隔離しないといけず、短期間の滞在が難しかったので、年末の一時帰国を断念していました。
年末年始に一時帰国するのは、ここばかりは日本の方が楽しいから(笑)
イギリスでは25日にクリスマス、26日にボクシングデーといわれる年末セールのイベントがあります。
その後もクリスマスの飾りとクリスマス気分で年末まで過ごし、1日に新年を祝ったら2日から普通の日々に戻ります。
日本人的な年末の盛り上がりムードに慣れていると、この「なんとなーく続くクリスマス気分」だとどうしても盛り上がりが足りない気がしてしまうのです。
今年は、
クリスマス前に帰国
→日本のクリスマスムード~年末へと盛り上がる
→大晦日
→新年と初詣
→年明け
と久しぶりにメリハリのある年末を迎えられて懐かしい感じになりました。
イギリスの、クリスマスを迎えた後は年末を静かに迎えて、ほっと一息する感じも好きなんですけどね。
1年の締めと始まりを迎えるこのリズムは身体に染みついて、時折恋しくなってしまうのです。
日本からのリモートワーク申請をもらう
そして今回は、初めて日本からのリモートワークに挑戦してみました。
日本に帰国してから最初の一週間だけですが、海外からのリモートワークは初めてだったのでちょっとドキドキ。
私の勤め先はイギリスに本社があるのですが、家や家族がヨーロッパの他の国にいる社員は、日ごろからイギリス国外からリモートで仕事している人もチラホラいます。
よく私と一緒にプロジェクトで働く人は、スペインからリモートで働いていて、会議やカンファレンスがあるときだけイギリスのオフィスにやってきます。
ただ、普段から日常的に海外からリモートするのは職位が高い人か、特別な事情がある人に限るのですが、休暇で国に帰って、数週間海外からリモートするのは私のような新卒の社員でも可能なのです。
日本に帰れるほどの長い休みを大きく取れるのはクリスマス休暇しかないですし、どうせなら日本にいる期間をもう一週間延ばしたかったので、海外からリモートで働けないかと上司に申請してみました。
上司も他の国からの移民なので休暇中に母国に帰れる気持ちは分かってくれて、「家族と過ごす時間は大事だよね」と、すぐに許可はもらえました。
簡単じゃないリモートワーク
申請自体は簡単に許可が出たのですが、いざ日本から仕事をしてみるとITのトラブルが多くてさあ大変。
まず、仕事用のMicrosoftアカウントへのログインが、日本からは制限されていて、MSチームやOutlookメールが全く開けず……会社のITの人に連絡したらなんと日本はセキュリティ対策でログインのアクセス制限国に指定されていたとのこと。
これはITの人側の手違いでもあったようで、制限を解除してもらいその後普通にアクセスできるようになりました。
その後は、会社で使うVPNの速度が日本からは遅くて、社内のファイルにアクセスするのにいつもの3倍時間がかかるようになってしまいました。
リモート期間中の仕事は、比較的簡単な図面をCADで描く業務だったのですが、図面を開いて保存するだけで15分かかるし、探し物を頼まれたファイルを大量のフォルダーから探そうとしてもなかなかフォルダーが開かないし、結果的にいつもより仕事を長くやることになってしまいました。
インドからリモートしたことのある同僚によると、Wi-Fiが早くてもやっぱりVPNが遅かったらしいので、通信速度が出ないのは多分会社のVPN側に原因があるとのこと。
ヨーロッパ圏からリモートしている同僚は割と普通に仕事ができているそうです。
アジアは遠すぎるのかもしれないですね。
クリスマス休暇直前で仕事が軽めだったので、作業が遅いなりになんとか業務を終わらせられることができたのですが、これが締め切り直前の忙しい時期だったら、作業スピードが命なので、無理そうです。
会社のVPNがもう少し早くていつもと同じように仕事できれば、「日本からのリモート一週間+休暇二週間」という風に毎回帰国期間を伸ばせるのですが、その目論見はしばらくは簡単には果たせなそうな予感。
通院しまくる
実は、日本からリモートしたかった大きな理由の一つに歯医者への通院がありました。
イギリスでは、保険外歯の治療は日本よりも高額になるのと、医者不足で歯医者の予約がなかなか取れないのがあり、日本でいくつか治療したい箇所があったためです。
日本からリモートで働いている期間中は、昼間のうちに日本の歯医者へ通院し、午後、イギリス時間に合わせて仕事をしていました。
リモートは大変だったけけど、治したい箇所は治療できたので、ちょっと作業効率がわるくても、リモートした甲斐はあったのです!
2024年もマイペースに更新
今年は今の仕事も2年目に入って、少しずつ複雑な業務も任されるようになりました。
ランドスケープの仕事は年単位の長期のプロジェクトも多いので、1年間携わってやっと流れが分かってきた仕事もあります。
ブログもまた気が向いた時に更新していきたいとおもうので、また一年よろしくお願いします。
柳の籠を手編みする
しばらくぶりです。
イギリスは10月に入りすっかり秋めいてきました。
夜は10度近くまで冷え込みます。
先日、柳の枝で籠を編むワークショップに参加してきました。
今まで籠編みをしたことのない初心者でもできるレベルの籠に挑戦。
会場はワークショップを開催した先生の自宅の裏庭です。
秋の風が心地よい、良い日だったので、一日中外で籠編みをしていました。
素材と道具は先生が用意してくれているので、身一つでスタート。
まずは籠のベースを編むところから。
柳はSomersetからの柳を使用しているのだそう。
ちなみによく植え込みやランドスケープで使う、しだれ柳の枝はあんまり編み物には向いてなくて、基本は使わないのだとか。
今回使っている柳は、まっすぐでしなりのある枝を使っていました。
朝の9時半ころから初めて、土台を作るのだけで午前いっぱいかかりました。
午後に終わるのか心配になったくらい(笑)
土台を編み終えて、立体にしていくと同じ編み方を繰り返すため、結構スピーディーに進む。
この頃になってくると手も覚えて、テンポよく編めるので楽しかったです。
先生の家の裏庭に大きなリンゴの木があり、たくさん取れすぎてて使いきれないからと分けてくれました。
早速完成した籠に入れるといい感じ!写真映え!
売り物のような均一な編み方がされた籠ではないけど、不均一なところが手作り感を増して、愛着がわきそうです。
今度から栗拾いやベリーの収穫はこの籠と共に行こうと思います。
チェルシーフラワーショウ2023
こんにちは!
修士を卒業して以来更新が途絶えていたのでお久しぶりです。
仕事の方は無事に試用期間も通過し、なんとか続けられています。
修士課程で勉強していた頃よりも、ワークとライフのバランスが取れていて、今の所はこの会社で働いていきたいなと考えています。
今回は仕事の話はひとまずおいておいて、数年ぶりのチェルシーフラワーショウ参加についての日記です。
チェルシーフラワーショウとは?
チェルシーフラワーショウとはロンドンで毎年5月に開催される、ガーデニングと園芸関係の展示をするショーイベントです。
数あるイギリスのフラワーショウの中では業界、一般共に最も有名なものになります。
このイベントを主催しているのは「王立園芸協会(Royal Horticultural Society【RHS】)」と呼ばれる慈善団体で、イギリス国内外でガーデニングを奨励しています。
チェルシーフラワーショウには、イギリスに留学し始めたときから一般参加、もしくはボランティアとしてほぼ毎年参加していました。
過去数年は、コロナによる中止や、参加人数制限でチケットが手に入れられず参加できていなかったので、今年は約4年ぶりの一般参加となりました。
フラワーショウの目玉 ショーガーデン
チェルシーの一番の目玉と言ってもいいものは、ガーデンと呼ばれる、ショウのためにその場に一時的に作られた数メートル四方の小さな庭があります。
ガーデンは有名なガーデンデザイナーやランドスケープアーキテクトがデザインし、経験と技術のある施工会社が会場に組み立てるもので、完成させるには経験と高い技術が要求されます。
また、チェルシーフラワーショウは、その当時の最新の園芸品種やガーデニングのアイディアを提案する場でもあり、長年にわたってみていると、イギリスにおけるガーデニングのトレンドの移り変わりを観察することができます。
ファッションにおけるパリコレやミラノみたいなものと思ってもらえればいいかと思います。
文字だけ説明してもきりがないので、ここから先は、個人的に印象的だった庭の写真を一気に公開していきたいと思います。
ガーデンは、規模に応じて複数のカテゴリがあり、最も大きいサイズのガーデンをショーガーデンと呼びます。
写真だけ見ると、どこかの有名な庭のように見えますが、これ全て過去数週間で更地から組み立てられたものになります。
Haratio's Gardenは今年の「ベストショーガーデン」賞も受賞しました。
ショーガーデンは一番大きいものでは中に人が入ることもできます。
見る時間帯が合えば、中でBBCやテレビの取材の人が取材をしていることも。
これは同じガーデンを別角度から見たもの。
ガーデンごとにストーリーやテーマがあります。
これは「人々の話を聞く」ことがテーマになっており、入り口側は固くくて荒い植栽と素材、ガーデンの奥の方に進むにつれ、素材や植栽が柔らかくなっていくというもの。
チェルシーにも過去数年参加しているガーデンデザイナーSarah Priceがデザインした庭。
柔らかい色合いの植栽が特徴的です。
背景となる塗壁や石材はLocal Work Studioというランドスケープ関係の会社がコラボしたもので、既存の素材をリサイクルして再活用するプロジェクトに関わっています。
今年は植栽以外の建材の部分にリサイクル素材を用いるところが多かった印象です。
こちらはショーガーデンではありませんが、展示の1つ。
展示されている彫刻は、リサイクルした新聞紙のパルプとロンドンのあちこちから回収されたスクラップを用いたもの。
また、この写真に写っている花の多くは、イギリスの牧草地や公園でよく見られる植物達です。
私が記憶してる限り、以前のチェルシーではもっと園芸品種や珍しい種類の植物が多用されていたことが多く、こういうありふれた植物が多用されるようになったのは最近の傾向なのではないかと思います。
こちらは廃墟になった家の跡地を、自然がとってかわり、徐々に自然に飲み込まれていく過程をコンセプトにデザインしたガーデン。
素材は割れたレンガや瓦礫の山、植物にはもはや一般に雑草として認知されているタンポポなどが使われています。
写真からだとただの瓦礫の山に見えるかもしれませんが、実物は「ただの荒れ地」に見えすぎないように計算深く設計されています。
イギリスでは近年「見栄えのいい花ばかりでも殺虫剤や水を大量消費して手がかかる庭」から「ちょっとワイルドに見えても、野生動物や気候変動に対応できる自然に近しい庭」へとデザインの流行が変化しています。
チェルシーでも気候変動に対応したコンセプトの庭が随分と増えました。
先にも述べたように、チェルシーは最近の流行の発表の場でもあるので、「自然のありのままを愛でよう。人間中心の人間のためだけの庭は止めよう」というメッセージを発しているのが感じられます。
久しぶりに参加してみて
数年ぶりの参加となりましたが、毎年見てても、否、毎年観察しているからこそ分かる流行の変化や、各ガーデンや展示の技術の高さに感心している間にあっという間に1日が過ぎていきました。
数年前の私だったら、チェルシーとまでいかなくとも、他のフラワーショウに一度はデザイナーとして参加してみたいと思っていたのですが、今はランドスケープアーキテクトとしての仕事でたくさん学ぶことが多くそちらに集中したいので、ショーガーデンへの熱意は以前ほどないかもしれません。
今現在の関心はもう少し、実際に現場に建てられて使われる公共スペースや公園に興味が向いているので。
ただ、また数年後にもう少し実務経験を積んだらやっぱりショーにも興味がわいてくるかもしれません。
ランドスケープとガーデンの世界は奥が深いので、きっと少しずつ何かを知るたびに、気になる分野が少しずつ変わっていくのでしょう。
チェルシーの帰り道に、赤系と青系の石が用いられた石畳を見かけました。
私は思わずカメラを取り出し、写真に収めました。
2週間ほど前から、とあるプロジェクトで、現場に用いる石畳のデザインに関わっているためです。
でも石畳のデザインなんて今までしたことないし、何が「いい石畳」なのかもよくわからなくて、よさげな石畳を見かけると写真を撮ってしまいます。
週明けはこの写真を上司にみせて、もう少しデザインを煮詰める予定です。
修士課程修了!
9月に修士最後の課題提出を終え、修士課程の授業が全て終了しました。
現在は課題の採点の結果待ちです。
去年の9月から修士を始めて、一年と一ヶ月が経ちました。
修士課程は学士の時より授業と課題の密度が濃く、息をする間もなく走り抜けた感じです。
学士が三年間かけて根気強く走るフルマラソンなら、修士は一年で一気に駆け抜ける400メートル競走といったところでしょうか。
修士課程が終わり、一息ついたら次は就職です。
夏の間にランドスケープ関係の会社から内定をもらえたので、10月から仕事を始められることになりました。
職場はイギリスの会社なので、正直英語面で働けるのか不安ではあります…。
もともと語学はそこまで得意科目ではないのもあり、語学力は何時まで経っても心配の種です。
大学のアカデミックな英語と、ビジネスの英語はまた違うので、コツコツと勉強していくしかないですね。
それと、修士課程にいる間は学校のことに全力を投じていて、他のことに気を使う時間もエネルギーも無かったので、これからは仕事も覚えつつ、仕事以外の生活もエンジョイできたらなと考えています。
下の記事は1年前に、ちょうど修士を始めたころの記事です。
読み返したら、当初から部屋に缶詰だったと書いてありました。
結局一年間缶詰で終わってしまったな~。
このブログでは、この先もランドスケープに関係することや、イギリスの生活について更新していく予定です。
まだしばらくイギリスでの生活は続きます。
7月、コロナウイルス陽性、8月、熱中症
タイトルの通りです。
実は私、7月に一度コロナウイルス陽性になり、8月に一度熱中症で病院に行きました。
幸い両方ともそこまで深刻になる前に判明して処置したため、1週間ほど部屋で安静にしたら回復しました。
今回は2回寝込んだときに「イギリスのこういう所はよかったな~」という事を綴ってみました。
イギリスのコロナウイルスへの一般的な関心は下火気味
イギリスは8月現在でも、「コロナウイルスの感染が落ち着いた」とは言えない感染者数です。
しかし一般の人の間ではコロナウイルスへの関心が大分下がっている気がします。
ヨーロッパではやはりウクライナ情勢への関心の方が大きくなっているように感じます。
政府もコロナウイルスへの対策の予算を削減しており、無料でPCRを受けれる検査会場の数は激減しました。
私の通っている大学の敷地内にも近隣用のコロナウイルスの検査会場が設置してあったのですが、今年の春先に一度撤退しました。
もしコロナウイルスの陽性かどうか確かめたい場合は、自費で有料の検査会場に行くか、薬局に売られている簡易検査キットを購入してテストします。
現在のイギリス政府の方針は、コロナウイルスの症状が見られた場合、基本的には自主的に隔離するだけでいいことになっています。
私の場合は、コロナウイルスの陽性が検査キットで分かり次第、可能な限り人と会わないようにして過ごしました。
イギリスではコロナウイルスに罹ったことはオープンにしている人がほとんどです。
私も直近で会った友人やフラットメイト(※シェアハウスしているハウスメイトの事)に「私、コロナウイルスの陽性が出たから、貴方も一応注意してね。うつしてたらごめんね。」と軽く連絡するくらいで済みました。
幸い誰にもうつしてはいなかったようです。
イギリスではコロナウイルスに罹ることは「犬も歩けば棒に当たる」程度のことなので、普通に暮らしていて陽性になったくらいでは責めたり責められたりしません。
陽性になったら「大変だね~お気をつけて~」と言われるくらいです。
こういう部分はイギリスは精神的に過ごしやすいかなと感じます。
フラットメイトが助けてくれた
コロナウイルスと熱中症、どちらの時もフラットメイトが心配して助けてくれました。
私の家のフラットメイトはどの人も自分の生活をマイペースに過ごしていて、普段は共同キッチンで会ったときに軽い挨拶をする程度の距離感です。
一応共同連絡用のWhatsApp(※海外でメジャーなLINEのようなもの)グループがあり、何かあるとそこで連絡をします。
コロナウイルスにかかった時は一応「コロナウイルスの陽性になったから、しばらくはキッチンはみんながいない時に使うね」と連絡をいれました。
そうするとみんな「もし買い出しで必要なものがあったら言ってね~買ってくるよ~」「大丈夫?必要なものがあったら連絡してね」など、心配の返信をくれました。
同じ屋根の下、何かあるとお互い助け合える人がいると少し心強く感じました。
熱中症の時も、体調が急に悪化して一人ではどうにもならず、かといって知り合いを呼ぶにも少し遠いところに住んでいて助けを呼びずらい…そこで、フラットメイトの子に病院まで連れ添ってもらいました。
突然フラットメイトの部屋のドアをノックして助けを求めたにもかかわらず、一日付き合ってくれたフラットメイトに感謝です。
助けをもらう前提で一緒に住んでいる訳ではありませんが、何かあった時に心配しあえるのはフラットシェアのいいところだと思いました。
もちろん、イギリスに住んでいてままならないことにも毎日直面しています。
でも日本だったら、普段あまり出会わないような優しさや、気の楽さにも遭遇するのは、海外に住んでいる醍醐味だと思います。
みなさまも残暑には気をつけてお過ごしください。
フラットメイトの植物を預かる
フラットメイト(イギリスではシェアハウスに住んでいるルームメイトのことをこう呼ぶ)が「2週間ほど旅行で部屋を空けるから、その間植物の面倒をみてほしい」と頼んできて、私が植物を預かることになりました。
植物の面倒を見るのはもちろん好きなのですが、人が大事にしている植物を預かるのは自分で好き勝手育てるのとはまた一味違います。
写真には写ってませんが、パセリも預りました。
「私がいない間に食べてもいいよ!」と言われたのでパスタの飾りとして食べさせてもらう予定です。
ちなみに園芸好き、長期間のホリデー大好きイギリスでは、数週間留守にしているおうちの庭を、近所の人が管理することが度々起こります。
以前住んでいた家では、大家さんと私二人で住んでいたので、大家さんが旅行に行くときは私が面倒を見ていました。
私が夏休みなどで日本に一時帰国するときは大家さんが私の植物に水やりをしてくれていました。
大家さんと私両方が不在の時はお隣さんに頼んでいました。
旅行から帰ってきたフラットメイトが、元気をなくした植物をみてがっかりしないよう、大切に面倒を見たいと思います。
猛暑でした
知人や友人に「イギリスの猛暑大丈夫!?」と心配されたので、今回はお天気の話。
今週の25(月)、26日(火)はイギリスでも有数の猛暑の日となりました。
私の住んでいるところも、最高気温が38度くらいまであったと思います。
私の住んでいるフラットは窓の通気性が悪く(よく言えば暖房性能は高い)熱が籠るので夜も暑くて寝づらい日が2日ほどありました。
エアコンは基本的についていないので、頑張って扇風機をまわしているのですが、それでも限界があります。
昼間は特に暑くてパソコンも熱暴走しそうなくらいアツアツになってしまったので、私はエアコンのある大学に避難…。
大学のパソコン室には他にも涼を求めてやってきたクラスメイト達が作業していました。
フラットメイトにも大学生の子がいるのですが、その子もキッチンで会った際には「今日は暑いから図書館に避難する!」と言って避難していきました。
イギリスの南部やロンドンはここ一か月以上ほとんど雨が降っていません。
公園の芝生も枯れはてて、すっかり茶色くなり、たばこの残り火一つで燃え上がりそうなほどカリカリです。
木たちも水分を保てなくなって、いよいよ葉を落としはじめました。
植物が再起不能になる前に一雨振ってほしいものです。
公園を歩いていても茶色い景色ばかりで、「これがもし気候変動によって毎年猛暑になったら定番の景色になるかも?」と考えるとゾッとします…。
27日以降はいつものイギリスの夏の27度台に戻りました。一度30度を経験すると大分涼しく感じます。
後は一雨振るのを願うばかりですが、まだまだ7月いっぱいは晴れの日が続きそうです。
卒業制作展の小話
ご無沙汰しています。
前回の更新からまた間が空いてしまいました。
3月から今まで、どのように過ごしていたかというと、
3月→課題、月末にデザインのクラスの最終プレゼン(先生がとても厳しかった)
4月→イースター休暇で授業は休みなものの、課題をこなす
5月→学期末提出&月末に少し休暇
…という感じでした。5月下旬以外はひたすら課題と学校での作業でに追われていました。
今回はエキシビション当日のお話しを少ししたいと思います。
エキシビションとは、いわゆる卒業制作展のようなものになります。
End year showとか、Design showとか呼び方は各学校で異なります。
私が学士を勉強していた時も、エキシビションがありました。
ランドスケープアーキテクトを教えている多くの大学では、学士と修士の卒業作品をエキシビションで展示し、そこに企業やリクルーターの人が訪れて、気になったり、雇いたい生徒をスカウトしにきます。
半分はジョブフェアを兼ねている訳ですね。
エキシビション初日は、そういった企業の人+生徒の家族や友人も招ねかれて、大勢の人が訪れる、ちょっとしたパーティー状態です。
生徒も先生もドレスやセミフォーマルなスーツで着飾ります。
ヨーロッパ系の人って、こういうちょっとしたパーティーの機会のために着るドレスをみんな持ってるのですごいです。
ドレスコードの話とか誰もしなかったのに当然のように着飾ってきます。
日本の卒業制作展とのカルチャーショック
日本人の感覚的には少し不思議だった出来事は、卒業制作展にクラスメイトの恋人やパートナーが来たり、先生の配偶者が来たりすることです。
家族を呼ぶのはなんとなく分かるのですが、パートナーや恋人を呼ぶのってイギリス的だなと思います。
私のクラスメイトの人たちがそれぞれパートナーを招待していて
「こちらは私のパートナーです」
「よろしくよろしく」
「初めまして」
「○○のパートナーの××といいます」
……とお互い紹介しあってる光景が大学の卒業制作展で行われていました。
ピクニックとかプライベートで遊んでいる機会に恋人を紹介するのならまだ分かるのですが、大学の公式のイベントに恋人が来るのって、ちょっと日本人の感覚的には「これってそういうイベントだっけ?」という気持ちです。
加えて、私の授業の担当の先生も、授業中は一言もパートナーがいるような雑談は聞いたことなかったのですが、エキシビション当日はパートナーを連れてきていて「私のパートナーです!」と紹介してくれました。
もし日本だったら、学園祭や文化祭に先生のパートナーが来てお祭りに参加してるようなものな感覚なのでしょうか…?
うーん、日本ではあまり想像できません。
子どもがいる先生はお子さんを連れてきて遊んでたりするかもですが…。
ともあれ、普段なかなか会えないような色々な人とおしゃべりできて楽しかったです。
エキシビションは就活の場でもある
そいういう会話で盛り上がる一方で、企業の人たちは、展示作品をみて、気になった人に声をかけ、その場でのプチ就職面接も繰り広げられています。
嬉しいことに私も何人かの企業の方とお話しする機会がありありました。
企業の方は大体
「この作品を作ったのは貴方?よかったらもう少し詳しく説明してくれる?」
と聞いてきてくれて、軽く作品を説明すると、
「素晴らしい作品だね!それで、貴方は夏休みから先の予定はどんな感じ?」
と就活する意思があるか確認してくれます。
そこで、
私「実はこの後イギリスで仕事を探してるんですよね~」
企業の人「へえ、実はうちの会社は今こういうポジションを募集しててね…(名刺を取り出す)。よかったらメールでポートフォリオとか送ってね~」
私「ありがとうございます!あと一応私の連絡先です(用意した連絡先を取り出す)」
という感じで連絡先を交換します。
エキシビションで話してみて、気になった雰囲気の会社があったら後日改めて連絡、面接をします。
会社のHPだけでは分からない人柄や社風が分かるので、エキシビションは大事な面談の機会でもあります。
企業の人側も、ポートフォリオだけでは分からない生徒の人柄を見てる気がします。
そんなどんちゃん騒ぎ半分、就活半分のエキシビション初日は終わり、しばらくした今、私はエキシビションで名刺を交換した会社の方とやり取りをしているところです。
就活は、また色々と日本とは違う「カルチャーショック!」なことが多々あり、日々勉強中です。
就職がうまくまとまったら記事にしたいと思っています。
最近まとまった長さの日本語を書いていないので、記事の日本語がおかしかったりするかもしれません(笑)
日本語リハビリも兼ねてもう少しブログを更新したいものです。
課題課題また課題
お久しぶりです。
前回の記事の宣言通り、2月と3月上旬は課題に忙殺されていました。
一番忙しい時は、家→学校→スーパーorコーヒー店→学校→家の3か所を行き来しているだけで全然遊びにも行けず、新しい服も買いに行けず…世間では何が起きているのかもよく知らないという感じでした。
そしてついに締め切りの数々をを走り抜け「ようやく少し落ち着いたから買い物や少し出かけられる!」と思ったのもつかの間。
今週のクラスで、先生が5月までの予定を発表し、この先も小刻みにプレゼンや課題の仮提出があることが判明しました。
どうやら、5月末の学期末まで、この忙しさは続きそうです。
(イギリスでは大体5月下旬~6月上旬に2学期が終わります)
多くのランドスケープアーキテクト学部がある学校では、5月~8月の間にその年の卒業制作展(Design Exhibition)が開かれます。
私たちの学校でもExhibitionがあり、今は展示するデザイン内容を詰めている段階です。
制作展は一般にも公開され、会社のリクルーターの人も見に来ます。
ここで注目を集める作品を展示すると、会社から「うちの会社で働く気はありませんか?」とオファーをもらえることもあり、1年間の行事の中で一番大事な行事です。
私は他の課題でデザインの制作が遅れてしまったので、今頑張って追いつこうとしているところです。
デザインを考えるのに時間がかかるタイプなので、これが一苦労です。
と言うわけで、まだしばらくこのブログは低頻度更新になる予定です。
また会いましょう!